水道水の話題でしばしばカルキ臭が水の味を損なうと言われます。しかしカルキの本質を理解してない人がいると共に、塩素と混同している人も結構いると思います。そこで、この二つの違いについて考えましょう。

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カルキと塩素の違いとは?そもそもカルキ臭とは何?

カルキは難しく定義すると次亜塩素酸カルシウムのことです。

塩素には漂白作用があるものの毒性も同時にあります。

そこで、毒性を弱めつつ塩素の効力を有効利用するため、水酸化カルシウム(消石灰)を混ぜ合わせ次亜塩素酸カルシウムを生成し消毒に用いました。

つまりカルキは塩素そのものではないものの、原料として含まれる物質です。

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸カルシウムの違い

カルキはドイツ語のクロルカルキの略で、さらし粉を意味します。

ナトリウム

カルキの本質は次亜塩素酸カルシウムで、これと似た物質に次亜塩素酸ナトリウムがあります。

この物質も同様に消毒剤として、たとえばノロウイルスや大腸菌、インフルエンザウイルスが付着した箇所の除菌に有効です。

またいわゆるカルキと同様にプールや下水、食品製造ラインでの消毒剤などにも使用されます。

実はドイツ語に由来するカルキと一般に称される次亜塩素酸カルシウムは水に溶けにくい性質を持っており、厳密には同一物質でない次亜塩素酸ナトリウムが主に飲料水の消毒液として用いられています。

次亜塩素酸ナトリウムは水酸化ナトリウム水溶液に塩素を加えて生成され、長期保存に向いておらず性質が不均衡なため液体として保存されることが多いのが特徴です。

加えて環境による変化が大きいために高温や紫外線により変質します。

この変質し易い性質は、別の角度からみると容易に次亜塩素酸ナトリウム成分を取り除くことができることを意味します。

つまり、しばしば耳にする飲料水を置いたままにすればカルキ臭が無くなるとの説は、変質し易い性質に由来するのでしょう。

一方字義どおりのカルキ(次亜塩素酸カルシウム)は劣化しにくい性質を持つため、水を放置してもカルキ臭は除去できません。

さらに殺菌力も高いので次亜塩素酸ナトリウムと比較して短時間で効果が期待できます。

どちらも使用用途や水酸化カルシウムまたは水酸化ナトリウムに塩素が加わる点では似ており、利用者が臭いなどで区別することは難しいですが、プールなど公衆が利用する施設では感染症予防のため濃度が高めの可能性があるので、水を飲み込まない努力が必要でしょう。

おいしく水を飲みたい。カルキ臭対策

化学式

カルキを抜く対策には、その性質を理解するのが一番です。

次亜塩素酸ナトリウムの場合、チオ硫酸ナトリウムで塩素が中和できます。

実際にチオ硫酸ナトリウムを活用したカルキ抜き中和剤が市販されています。

観賞用の熱帯魚などを飼うときに使うには有効です。

ただ飲料水に化学物質を用いることには抵抗を感じる人もいるでしょう。

その場合は、巷間しばしば聞かれる方法を試してみると良いと思います。

水は一晩置いているとカルキ臭が無くなると言われます。

これはまんざら間違いではなく、消毒液が次亜塩素酸ナトリウムならば環境に不安定な性質をもっていますから、置かれた環境で塩素の濃度が変化する可能性は十分あります。

煮沸や日光に当てるのも同様の根拠に由来します。

その他お茶として飲めば塩素とむすび付きやすいポリフェノールの効力によりカルキ臭が減少しますし、石や炭、ビタミンCと混ぜ合わせるといった方法が考えられます。

これらは科学的根拠に基づいた結果もあれば、感覚的な成果もあり玉石混交なので、実際に試してみてそれぞれに最適な方法を見つけると良いでしょう。

よくカルキは体に悪いのではとの心配をする人がいます。

確かに殺菌効果があるので、その気持ちも仕方ないですが、飲料水など上水道で消毒に用いられる物質は正確に基準値が守られており、殺菌しない水のほうがむしろ体に害があるほどです。

災害時や発展途上国など水による感染症が問題になるケースが多々あります。

カルキ臭で多少の不快感はあるでしょうが、消毒による水の殺菌は重要です。

公衆の健康のためカルキ臭を除去する方法を実践しつつ、消毒への理解を深めたいものです。